今の世の中には数々のボディーワークがあります。
ボディーワークとは、その名の通り身体を通して心身の変容を目指すワーク(施述・運動)の総称です。
ヨガもその1つに分類できます。
ヨガ以外では、カイロプラクティックやオステオパシーは知名度が高いと思います。
フェルデンクライスメソッドやロルフィング、挙げだしたらキリがありません。
日本の武道もある種のボディーワークだと私は考えています。
私は主に沖ヨガをやっていますが、ボディワーク全般に興味はあるので体験したり本を読みます。
それぞれ心身へのアプローチ、捉え方は様々です。
ただ、面白いことに1つだけ共通することがあります。
それは呼吸を大事にしていることです。
どんなボディーワークも呼吸に合わせて動作し、刺激します。
それほどまでに呼吸というのは人間にとって大事なことなのです。
でも、なんでそんなに呼吸が大事なのでしょう?
生命と意識を繋ぐパイプ
私達は心臓の鼓動を意識して止めるということはできません。
同じように、黙っていても食べ物は消化され、便意となって訴えかけてきます。
生命を維持する機能が勝手に止まってしまっては大変です。
呼吸も同様です。
完全に止めてしまったら、私達は死んでしまいます。
ただ、ちょっと待ってください。
呼吸は自分でコントロールすることができますよね。
一時的に止めてみたり、吸う息と吐く息の長さを変えてみたりできます。
命に関わるほど大事なものでありながら、唯一呼吸だけが自分の意志でコントロールできます。
つまり、呼吸とは自分の意識と生命(無意識)とを繋ぐ手がかりなのです。
だから、ボディワークでも大事にされているわけです。
ただ、酸素と二酸化炭素を交換するためだけの機能じゃありません。
呼吸で心もリラックス
まず、全力疾走した時のように肩で荒く速く息をしてみましょう。
するとだんだん鼓動が速くなってきて、不安な気持ちになってきませんか?
ただ呼吸を変えているだけなのに、だんだん暑くなってきて、本当に走った後のように汗が出てくることもあります。
一方で、睡眠中やリラックスしている時は自然と呼吸が深くゆったりになっています。
「つり橋効果」というものをご存知でしょうか?
男女2人がつり橋を渡った時、互いに好意を抱く確率が高いというものです。
不安定なつり橋を渡るドキドキと異性に対するドキドキを混同するためです。
このように、心は身体の状態にたやすく影響を受けてしまいます。
そして、呼吸はその鍵となります。
腹式呼吸で深く、長く、細く、吐いて。
ヨガではしばしばそんな表現をされます。
それは自分の身体をリラックスさせるだけでなく、心もリラックスさせようとしているからです。
人間誰しも呼吸することができます。
でも、誰でもできることだからこそ疎かになってしまいます。
「当たり前」に今一度意識を向けてみると、新しい発見がありますよ。