先日、朝起きたら腰に痛みを覚えました。
レッスン中でもなく、重いものを持ったのでもありません。
身に覚えがないのに、じわじわと痛みは増していくので、困惑してしまいました。
酷い時には、立っても座っても鈍痛がするという状態でした。幸い、快方に向かいましたが、痛みについて考えさせられる体験でした。
痛みは悪いもの?
痛みがあることで、集中が削がれたり、身体を動かすのが億劫になったりします。
いっそ人間の身体に痛みがなければと思ったことはありませんか?
しかし、実際に痛みがなければ、骨が折れていても気づけません。
痛みというのは僕達の身体の異常を教えてくれる身体からの信号なのです。その信号を無視すれば、より大きな悲劇を生みます。ですから痛みはわずらわしく感じるかもしれませんが、大切なものですから付き合っていく必要があります。
そのままではダメだというメッセージ
痛みにも一次的なものと慢性的なものです。
ちょっとした切り傷や筋肉痛など一時的な痛みは身体の自然治癒力によって放っておいても治るものです。
しかし、生活習慣からくる慢性的な痛みというのは身体の使い方の偏りによって起こるものです。したがって放置してもよくなるどころか徐々に悪化していきます。
接骨院や整形外科、整体などに通って治療を受けるのですが、痛みを緩和させる治療をしても、身体の偏りはなくなりませんので、また徐々に症状が現れてきます。したがって、誰かに治療してもらうだけでなく自分自身でも身体の使い方を変える必要があります。
すなわち、痛みとは「このままではいけない」というメッセージでもあります。そこを見落とさないように注意しましょう。
痛いほどに動かさない
痛みがある時に、よくやってしまうのは、痛いのに「動かさなければ」と思って無理やり動かすことです。確かに動かさなければ衰えていきますが、痛い方へと動かせば、身体には余分な緊張が生まれます。緊張して固まった筋肉を無理やり動かそうとすれば、別の痛みが生まれてしまうだけで身体は壊れる一方です。ですから、気持ち良い(動かしやすい)方へと動かせばいいのです。
例えば右に倒して痛いのなら、左に倒せばいいのです。その時反対側も必ず動いています。身体が「良い(気持ち良い)」と感じることをやってあげましょう。
冷やさず、温める
そして、その気持ち良さとは「温かいこと」です。人の優しさに触れると「温かい」気持ちになり、楽しくないと心は冷めていきます。
冷えというのは痛みを生みます。水も冷やせば凍るように、冷やすことは緊張を生みます。
ですから、火傷の症状や心臓、頭は温めると危険なので避けますがそれ以外の時は、患部を温めることが効果的です。血行が良くなり、痛みも柔ぎます。冷え性、腰痛・肩こり、生理痛などもそうです。
だから、痛みが酷くて動けない時は温めましょう。ただ何着も着込むような温め方ではなく、蒟蒻湿布(茹でたこんにゃくをタオルで包んで当てる)や生姜湿布(すりおろした生姜湯にタオルを浸してから当てる)などで温めると良いでしょう。
痛みをなくすよりも……
ヨガのインストラクターなんかやっていると痛みとは無縁だと思われます。
けれど、言わないだけで痛みを抱えながらやっている人も珍しくありません。
未熟だと言われればそれまでなんですが、身体は刻一刻と変わっていくものですから、むしろ変化のない方がおかしいと僕は思っています。
季節や気温、また精神的な移り変わりの中で生じる些細な痛みを見つけられて、偏りに気づき、ある程度は自分で修正できることが健康なのではないでしょうか。